2011-02-28

全国ボランティアコーディネーター研究集会2011

2月26日~27日、京都の龍谷大学にて、全国ボランティアコーディネーター研究集会(通称JVCC)が開催され、参加してきました。これは日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)が主催で行っているもので、今年はJVCA設立10周年の記念の年でもあり、例年にましての盛り上がり、熱気のある集いでした。北海道~沖縄まで、全国のコーディネーターが結集しました。栃木からは私を含めて5名の参加者。
 テーマは「京(きょう)から未来(あした)の市民社会を創る」~10(てん)換期、多様化する社会を貫く軸~」。創意工夫の30の分科会。

 オープニング全体会テーマは「市民の力で10年後の社会をアツくするパート1」。
パネルディスカッションでは、今後ますますボランティアコーディネーション力が求められる社会になることを強く感じました。
「日常生活の中での親しい人との関係性も含め、違う意見の人と話すことが楽しいと思うことが大切」というパネリストの言葉がとても印象に残りました。

 分科会第1日目は「ボランティア」を説明するのに欠かせないもの~ボランティアを語る要素を整理し、ボランティアをカタルあやしいものに対抗しよう~に参加。
共感のプロセスが大事であることを認識しながら、ボランティア活動のイメージや意義がずれていかないようモデル資料づくりをしました。

 実践事例報告の分科会にも参加。
「未来創造ネットワーク白鴎」の取り組み~の発表を代理(急遽のことで)でやってきました。栃木県内の学生たちが繋がる場として、4年前「とちぎ学生未来創造会議」が立ち上がっており、その支部でもある白鴎大学の未来ネットの活動を紹介してきました。
「白鴎の学生の活動のことをなぜ私が?」~そうですね、これこそ人と人が繋がっていることの証としての、熱き裏話がございますがまたの機会にふれましょうね。
それらも含めて、とちぎ学生未来創造会議のこともこのブログの中で少しずつ紹介したいと思っています。

 分科会第2日目は、専門職としてのボランティアコーディネーターの質を高め、社会的・組織的認知をいかに向上させるか~に参加。
現場で動くコーディネーターの方たちの発言・発想は、さすがに魅力的で、心に響いてくる内容であふれていました。これぞJVCCの醍醐味という分科会でした。

 日本ボランティアコーディネーター協会のホームページものぞいてみてください。このブログともリンクしています。情報がいっぱいですよ。そして、来年の研究集会には、あなたもぜひ参加してくださいね。

2011-02-12

「第15回在宅ケアーネットワーク栃木」に参加して

2月11日、自治医科大学にて「第15回在宅ケアーネットワーク栃木」に参加してきました。テーマ「地域でともに活きるために」キュアからケアへ?ということで、熱気ある大会でした。圧巻は午後の部のシンポジウムでした。「地域でともにいきるために」当事者とその支援者より?当事者が語るわたしの生き方&それを支える関係者のメッセージということで、認知症の立場からと20代の難病患者(多発性硬化症)の立場からの二部構成。
 一部の、認知症の立場~では、さまざまな苦難を抱え、途方にくれるご夫婦が、市役所の窓口から地域包括支援センターはじめ、多くの支援組織や、地域の人々と繋がっていくプロセスがリアルに紹介されていきました。まさに「ともに活きる」とはこのようなことなのだと実感を持って知る機会となりました。専門職として現場で動く方たちの熱意とネットワークの見事さ、地域のあたたかさが、夢ではなく現実のものとしてあることに深く感動しました。
 二部の、20代の難病患者の立場~では、見事な主体性をもった生き方が紹介されました。実は彼女は当センターの関連施設の利用者でもあり、私も良く知っている人です。
自らボランティアグループを立ち上げたり、コーディネーション力もある魅力的な方です。支援を受けるにも、「主体は誰か」をしっかりと踏まえていく前向きな姿勢をもって生きている彼女には多くの人の心を動かすチカラがあるといつも感じていました。このブログでも紹介したデイセンターの「公共のバスを使ってショピングモールに出かけよう」の提案者であり、リーダーでもあります。

 会場を出ると、朝からの雪がさらに勢いをまして降っており、こっぽりと積もる雪景色の中を車で帰ってきました。この雪の白さは、「さあて、私には何ができるだろう」と、あらためて私に問うてくれているようでした。

2011-02-05

「寝ても覚めても市民活動論」のススメ

大阪ボランティア協会発行、早瀬昇著の「寝ても覚めても市民活動論」をまだ読まれていない方、ぜひぜひとオススメしたい本です。
先の私のブログで「当事者となる」という言葉はこの本から引用させていただいています。この本は大阪ボランティア協会の情報誌ウォロの連載コラム「V時評」として書き綴られたものです。その視点35「巻き込まれる」ことの意味?のページにて語られています。

(引用~寝ても覚めても市民活動論)

 ・当初は「当事者ではない」人たちが、社会の課題と接することで、その課題を他人ごとではない自分の問題だと受け止め、直接的にその課題解決に関わろうとする「当事者となる」わけだ。
 ・相談者の課題に共感する市民をつないでいくには、まずコーディネーター自身が、その相談者に共感していなければならない。共感が鍵となる世界では、コーディネーター自身が共感し、自ら巻き込まれていくことで初めて「当事者となる」人たちの輪を広げていくことができる。

 とにかく、ボランティア活動やNPOの運営、市民活動を進める上でのヒントが随所にちりばめられており、しかも実にわかりやすい言葉で理論化されています。
落ち込んだり、気力体力もなえそうな時、この本を手に取り、パラパラと適当にめくったページから読み始めても、いつのまにか元気に復活してくる自分がいます。