2011-05-23

丘の上コンサート裏話

音楽が大好きな若い施設入居者の方がいます。コンサート当日の朝、施設に最終打ち合わせに出向いた際、たまたまその方に会いました。「おはよう!」と声をかけても浮かない顔で元気がありません。そういえば参加者名簿に名前がなかったなあと思いながら、スタッフと打ち合わせに入りました。
「ところでTさんの名前がなかったのだけど体調でも悪いのですか?」とスタッフに聞きました。「実はご家族から、コンサートにはいかないようにと言われて、元気がないのです」ということでした。理由はコンサートを聴いて興奮して発作を起こしては困るから~ということのようです。「残念ね、音楽が大好きなのにね、Tさんはきっと喜ぶと思っていたんだけどなあ」といいながら私はあきらめていました。
でも、ボランティアセンターに戻って間もなく、施設スタッフから電話があり「Tさんにも参加してもらうことになりました」と連絡が入りました。

 コンサート会場の一番前の席、しかも真ん中に陣取り、本当に嬉しそうなTさんがいました。
音楽に手拍子をしながら、声を出して喜んでくれていました。演奏時間は30分間です。つかの間ではありましたが、Tさんだけではなく、みんなにとって心豊かな時間だったと思います。
このことをご家族にお伝えすることができたらいいのですがね。
施設としては、ご家族の意向を尊重しながら対応しなければならないこともあるようで、
現場もたいへんだなあと思った次第です。
 
 みんなの気持ちがあれば、いろいろなことが可能になってきます。そのことが嬉しくて楽しくて、私もこの仕事ができています。

丘の上コンサート 開催しました

5月23日、丘の上コンサートを開催しました。
国際医療福祉大学吹奏楽部の演奏協力、ボランティアグループかざはな、ボランティアグループあじさい、個人ボランティアの協力を得て、今年も施設の皆さんに楽しんでいただくことができました。5月のさわやかな風の中の演奏は本当に心地よいものでした。終了間際に小雨がふりはじめてしまいましたので、アンコール曲演奏の中、施設の皆さんを送る形を急遽とりました。これはこれですてきなかたちであったのではと思いますが、吹奏楽部の皆さんには、大事な楽器を雨で濡らしてしまうという申し訳けないことにもなりました。本当にすみません。思いのほか強くなっていく雨足の中、ボランティアの方たちも濡れながらの会場の後片付けをやってくださいました。ごくろうさまでした。

 このコンサートは、当ボランティアセンターが主導で企画してきましたが、来年以降は、学生の皆さんが主体となって継続していってほしいと思っています。その確認は振り返りの時間にしっかりとさせていただきました。
私はいつもボランティアの方たちに、「活動を自分たちのものにしていく」ことをめざしてもらうことを念頭におきながらボランティアコーディネーションをしてきております。そのためには、プログラムづくりからボランティアの方たちをできるだけまきこみながら、一緒に動きます。このコンサートに関しましては、2年かかりましたが、来年は、学生ボランティア主導でこの企画は運営されていくはずです。地域の人にも働きかけをして、たくさんの人でうめつくすコンサートにできたらいいですね。

2011-05-18

丘の上コンサートへのお誘い

5月の空の下、施設のみなさんと一緒にコンサートを楽しみましょう!
5月22日、おおたわら風花苑そばの小さな丘で、コンサートを催します。
国際医療福祉大学吹奏学部の演奏によるものです。
演奏時間は10:40~11:10。昨年に引き続き2回目となります。
全施設の皆さま方をご招待しておりますが、誰でも参加可能です。地域のみなさんにもお声をおかけしています。

 「素敵なコンサートをありがとう!」「アンコール、アンコール」という声が飛び交ったコンサートです。お誘いあって、ぜひぜひご来場ください。

「傾聴ボランティア大田原」テレビ放映のこと

昨日、栃木テレビで「傾聴ボランティア大田原」が紹介されました。撮影は当ボランティアセンター、及び「おおたわら風花苑」でされたものです。5分ほどの時間ではありましたが、しっかりと焦点が絞りこまれている編集になっていました。傾聴活動のめざすところの「笑顔」が溢れていました。何より施設入居者の方の笑顔が本当によくて嬉しくなりました。
 出演なさったボランティアの方をはじめ傾聴活動の皆さんは、いつも心をこめて対応してくださっています。そのことがよく表れていたと思います。
一方、「みんなの笑顔」をめざす基盤を作っているのは、やはり施設職員のひとりひとりの思い、日々の積み重ねであることも感じながら私は映像を追っていました。
 施設現場でのボランティア活動は、施設全体の受け入れ態勢が整っていないとうまく稼働していきません。ボランティアへの理解がないところでの活動は成り立ちません。私の仕事は施設現場とボランティアの関係調整を行うことがひとつの業務でもあります。職員の皆さんの理解がなければ私の仕事も成り立ちません。
ボランティアの皆さん、職員の皆さん、「いつもいつもありがとう」と声を大にしたいと思います。
 そして今回は、栃木テレビの記者の方の仕事ぶりを拝見する機会にもなりました。いくつもの場面を100パーセントの気合をいれて編集してくださったと放映後の電話でのやり取りの中でも言われていました。分野は違えど、熱意を持って仕事をなさる姿勢には心打たれるものがあります。

 これらのいろいろなことも踏まえながら、皆さんもどうぞもう一度映像を追っていただければと思います。下記のように再度放映されます。また切り口を変えての編集になっているようですよ。楽しみですね。

  次回放送日  5月23日(月)
              6:30
             21:00  あと2回放映

2011-05-12

「傾聴ボランティア大田原」の紹介

「傾聴ボランティア大田原」は一般市民の方々のグループです。5年ほど前に一人の活動者から始まりました。その方に講師になっていただいて、当ボランティアセンターを会場にして傾聴ボランティア養成講座を2年続けて開催。講座修了生の方々により立ち上がったグループです。
 8つある関連施設での傾聴ボランティア活動を中心におきながら、当センター以外での活動範囲も広げている方たちもいます。今年度の活動メンバーは24名。月一度の定例会は、研修会要素をとりいれながらの内容の濃いものになっていて、同席させていただく私も勉強になります。
「相手の価値観にどこまでも寄り添い、心を傾けて聴く」ことって、頭の中では追えても、実際的にはなかなか難しいものです。自分の価値観を相手に押しつけてしまっている自分に「あっ、やってしまった!」ということはまだまだ私の中にもあって反省することが多いので、傾聴活動の皆さんから学ぶことはたくさんあります。

 その傾聴ボランティア大田原が、本日、栃木テレビの取材を受けました。
放映は5月17日、18:00、21:00、翌日6:30の3回になるようです。
ぜひ、ご覧になってください。ちなみに撮影場所は、当ボランティアセンターおよび風花苑になっています。

 私としては、施設の中にボランティアセンターがあることが紹介されることにもなるので、嬉しく思っています。なぜ施設内にボランティアセンターがあるかというと、施設業務としてボランティアの受け入れを専門的に担うということがあります。一方活動希望者にとっては、窓口がはっきりしていて、活動に入りやすいという点があろうかと思います。ましてや関わるグループの方に活動拠点として利用できる場所として解放できることには大きな意義があると思います。「地域に開かれた施設」であることの証ですから。
 
 栃木テレビの取材記者の方がまた良い方でした。
取材終了後、ご自分のつくる番組が、どのように伝わっていくかといういうことに、責任と期待感をもっていることを熱く語ってくださったことがとても好感持てました。
放映日が楽しみです。



2011-05-03

「ボランティアグループ かざはな」の紹介

このブログを開始するにあたって、やりたかったことのひとつです。この国際医療福祉リハビリテーションセンターボランティアセンターを拠点にして活動する皆さんを紹介していきたいと思います。
その第1号で登場してもらうのは、もちろん「ボランティアグループかざはな」です。
かざはなのみんな、お待たせしました。

 このボランティアセンター設立と同時に生まれていたのが「かざはな」です。ボランティアセンターを立ち上げられた方は、当時福祉大学医療福祉学科長であられた鈴木五郎先生です。先生の直の声かけで、すでに120人を超えるボランティア活動者が集まっていました。その状態で、コーディネーターがいないのでやらないかということで引き受け、私が初めて行った仕事はみんなからあがっていた活動予定表の作成でした。
そのようなわけで、「かざはな」の歩みは、私のボランティアコーディネーターとしての歩みでもあります。平成12年8月1日が活動開始日です。
 
 かざはなの活動の特徴は、授業の空き時間にできるボランティア活動です。ひとつのプログラムは、1時間~1時間30分を目安に作られています。施設(現在八つある)が大学の敷地内にあるという利点を生かしての活動時間になっています。八つある施設全部に総合的に関わってくれているのが「かざはな」です。毎年活動登録者は150人~200人。施設の特徴にあわせたプログラムが現在14。総リーダーをはじめとして、各プログラムごとのリーダーがいて、当ボランティアセンターを拠点として自主運営がされています。10年前、最初の定例会で私がみんなに発した言葉は「施設における活動ではあるけれど、活動を自分たちのものにしなさい」でした。「えっ、私たちのやりたいことをやっていいということですか?」と反応してくれたことを私は忘れることはありません。以来、どうすれば学生が主体的に関われるボランティア活動が展開できるであろうかという課題と、常に向き合う日々です。

 新学期が始まり、新リーダーたちが熱心に活動に向けて動いています。その姿をみていると私も初心にかえる思いがします。そして、いままで活動をしてくれたたくさんの顔を思います。みんながみせてくれたボランティアコーディネーション力に、私自身がどんどん引き出されていくことがいっぱいありました。これからも一緒に、一喜一憂しながら取り組んでいきましょう。よろしくね!

引き続きあじさいのこと

「今まで培った関係は、本物はこれからも続いていく」というコメントをあじさい10期生からいただき、胸が熱くなりました。本当にありがとう。ブログを読んでいてくれていたのですね。4月30日、あじさいメンバーが「家」のお別れ会をしてくれました。
家の跡でバーべキューをやりましたよ。そして懐かしい顔がいっぱいのアルバムをいただきました。涙が溢れて、溢れてとめることができませんでした。
一方私は、「あじさい」を「二見邸」から解放してあげるときがきたのだと考えていました。そのことを言葉にすると、みんな少し戸惑ったようでした。でもまさしく、あなたがコメントしてくださったように、「本物はこれからも続いていく」ということを私も信じています。だからいただいたコメントは本当に嬉しかった。
 あじさいはこれから、あらたなあり方を生みだしていくはずです。その証拠に、今年の新入生歓迎会は、グループにわかれて市内案内をし、そのあと合流して河原でバーベキューを楽しんだそうです。まずは大田原市を知ってもらうところからいざなうとは実にいいですよね。さすが企画力のあじさいです。「家を使って」という意識から脱して、自由に発想し、活動展開を図っていってほしいと思っています。