2011-08-29

11年かけて創作された入所者の手作り絵本が大田原図書館で公開

身体障害者療護施設「那須療護園」の入所者であるAさんの作る手作り絵本が、大田原市立図書館で公開されることになりました。ぜひたくさんの皆さんに手に取り、読んでいただきたいと思います。(貸出はできませんので、館内で)
 Aさんは、肘を使い一文字、一文字パソコンにストーリーを打ち込んでいくのですが、うまくタイミングが合わないこともあり時間がかかります。創作されたストーリーに国際医療福祉大学ボランティアグループかざはなの絵本制作活動(Aさんのためだけのプロジェクト)のメンバーが絵をつけていきます。登場するキャラクター、背景などすべて細部にわたり、ひとつずつ確認しながらの作業になります。ボランティアはAさんの思いや、表現したい気持ちをどこまでも尊重、受けとめていきます。先輩から後輩へとバトンタッチされながら、11年かけて制作された絵本がやっと9冊。その貴重な手作り絵本が、この度、大田原市立図書館のご理解、ご協力をいただきます。
公開期間は9月12日~10月10日。ぜひ図書館にて「Aさんの世界」を覗いてみてください。

 Aさんは本を読むことも大好きな方です。大田原市立図書館蔵の絵本を毎月18冊平均で読破中でもあります。ちなみに図書館から絵本を借りるのは私がAさんの代理をやっていますが、裏話としてぜひとも皆さんにご紹介したいことがあります。
 Aさんはご自分で寝返りをすることも、本を読むのにページをめくることもできません。本を読むときはうつ伏せにしてもらい、1ページごと、職員にめくってもらいながら読んでいます。「自分で読みたい」Aさんのために、職員は業務の合間を見ながら、交替でページをめくってあげています。これってすごいなと私はいつも思います。忙しい福祉現場ではありますが、みんな、本の好きなAさんのためにページをめくることを厭わないでやってあげていますし、Aさんも根気よく本を読むことを楽しんでいます。

 こうした職員の温かい思いや、長年にわたり絵本制作のサポートを続けてくれるボランティアに支えられて制作された絵本であること、広く市民の皆さんに読んでいただけることは、Aさんの喜びでもあり、今後の創作意欲に繋がることなどを、大田原市立図書館にお話をさせていただきました。快く受け止めて下さった図書館関係者の皆さんに心からの感謝を申し上げます。


2011-08-10

あの夏祭りをやったよ!

あの夏祭りを今年もやりましたよ。なんとボランティア参加者数173名でした。
この過去最高のボランティア参加には嬉しい背景があります。那須デイセンター利用者の皆さんが、「夏祭りの中で、私たちも何かやりたい、ボランティアしたい」ということで、ヨーヨーコーナーを企画担当してくれました。自分たちで大きな看板をつくり、呼び込み作戦もたて、一番活気のあるコーナーになっていました。
 「あの夏祭りがやってくる!」このフレーズを使い続けてのボランティア募集を毎年しております。地域の方々への声かけも「あの夏祭りがやってきます。今年もぜひご協力をお願いできませんでしょうか」という具合です。ボランティアの皆さんにとって、「一度参加したら、もう一度参加したくなる夏祭り」となるようなボランティアコーディネーションを目指しています。
 そのポイントは「個から全体が」「全体から個」が見える化(可視化)された資料づくりにあります。職員もボランティアも全員が同じ資料を手にします。利用者の方の名前、担当職員の名前、ボランティアの名前を全部入れた資料になるので、必ず終了時に全回収します。この資料により、自分の動きとほかの人の動きがわかりますから、一体感の中で活動できるようになっています。
 ポイントその2。オリエンテーションを丁寧にしっかりとやります。担当職員とボランティアとの対面、活動確認の場でもあります。そしてボランティアの代表による、全体での気合入れが行われ、各自各現場へと動き、夏祭りが始まります。
今年の気合は、「今年も夏祭り成功させるぞ~!」でした。すべての始まりの前に心を一つにする瞬間がほしくてやっている場面です。ボランティアはお客さまではなく、私たち職員と同じ感覚で、夏祭りを遂行する一員として動いてくれる素晴らしさがあります。今年は雨天日でしたので、屋内での夏祭りではありましたが、おかげさまで、利用者の方々の笑顔が溢れる一夜になったことはもうしあげるまでもありません。


追記 しばらくブログを休んでいました。また再開します。よろしくお願いします。